スマホの容量はなぜいつも足りなくなるのか
64GB、128GB、256GBとスマホの容量は増え続けているのに、なぜかいつも足りなくなる。容量を食っている犯人は、思っているものとは違うことが多いです。中身の仕組みを知ると、どこから手を付ければよいかが見えてきます。
容量が増えても足りなくなる理由
スマホの容量は、10年ほど前の16GBや32GBから、今では128GBや256GBが当たり前になりました。それでも「ストレージがいっぱいです」の通知から逃れられないのは、容量の増え方と同じかそれ以上に、使う量も増えているからです。
理由は大きく分けて3つあります。写真や動画が高画質になったこと、アプリが大きくなり、使うほどデータをため込むこと、そしてOS自体が使う領域があることです。
犯人その1:写真と動画
スマホのカメラは年々高性能になり、1枚あたりのファイルサイズも大きくなっています。特に容量を使うのが動画です。
| 撮影の設定 | 1分あたりの容量の目安 |
|---|---|
| フルHD(1080p)30fps | 約60MB |
| 4K 30fps | 約190MB |
| 4K 60fps | 約440MB |
※iPhoneの高効率(HEVC)形式での目安。機種や設定、撮影する内容によって変わります。
4K 60fpsで子どもの運動会を10分撮れば、それだけで4GBを超えます。写真も、1枚数MBとはいえ、連写やLive Photos(動く写真)、高画素の撮影モードを使うと、気づかないうちに数千枚、数十GBに膨らみます。
動画の画質の設定は、iPhoneなら「設定 → カメラ → ビデオ撮影」、Androidならカメラアプリの設定で変えられます。普段の記録はフルHDで十分、という人も多いはずです。
犯人その2:アプリがため込むデータ
アプリ本体のサイズより大きくなりがちなのが、アプリが使いながらため込むデータです。
- メッセージアプリ:送受信した写真、動画、ファイル。グループのトークで共有された動画が、見ていなくても保存されていることがあります。
- SNSや動画アプリのキャッシュ:一度見た画像や動画を、次に速く表示するために一時保存したもの。数GBになることもあります。
- オフライン用のダウンロード:音楽配信や動画配信で、通信量を節約するためにダウンロードした曲や作品。
- 地図アプリ:オフラインで使うためにダウンロードした地図。
- ゲーム:本体をインストールしたあと、追加のデータを数GB単位でダウンロードするものが多くあります。
キャッシュは、本来は一時的なデータなので消しても問題ありませんが、消してもまた使っているうちにたまっていきます。根本的な対策というより、定期的な掃除と考えるのがよいでしょう。
犯人その3:OSと「システムデータ」
ストレージの内訳を見ると、「システム」「システムデータ」「その他」といった、何なのかよく分からない項目が大きな割合を占めていることがあります。
ここには、OS本体のほか、ログ、一時ファイル、アップデートの準備用のデータ、各種のキャッシュなどが含まれています。容量に余裕がなくなるとOSが自動で整理しますが、数GBから十数GBを占めることは珍しくありません。128GBのスマホでも、実際に自分で使えるのは100GB少々、という感覚で考えておくと安心です。
この領域は、利用者が直接消すことはできません。スマホを再起動すると一時ファイルが整理されて少し減ることがあります。
まずは内訳を確認する
やみくもに写真を消す前に、何が容量を使っているかを確認しましょう。
| 端末 | 確認する場所 |
|---|---|
| iPhone | 設定 → 一般 → iPhoneストレージ |
| Android | 設定 → ストレージ(機種によって「電池とデバイスケア」などの中) |
アプリごとの使用量が大きい順に並ぶので、上位のいくつかを見るだけで、だいたいの原因が分かります。意外なアプリが上位にいることもあります。
消してよいもの・慎重に扱うもの
比較的消しやすいもの
- アプリのキャッシュ(アプリの設定に「キャッシュを削除」があればそこから)
- 見終わったオフライン用の動画や音楽
- しばらく使っていないアプリ(iPhoneの「Appを取り除く」なら、データを残したままアプリ本体だけ削除できます)
- 写真アプリの「最近削除した項目」(ここに残っている間は容量を使っています)
- スクリーンショット、連写のうちの不要なカット、重複した写真
消す前に確認したいもの
- メッセージアプリのトーク履歴:アプリごと削除したり、データを消したりすると、バックアップがない限り戻せません。消す前に、アプリのバックアップ機能を確認します。
- 二段階認証のアプリ:認証コードを表示するアプリを消すと、各サービスにログインできなくなることがあります。
- 写真と動画:クラウドにバックアップしたつもりでも、設定によっては端末から消すとクラウドからも消える場合があります。仕組みを確認してから消しましょう。
クラウドに逃がすという選択肢
写真と動画は、クラウドに保存して端末の容量を空ける方法もあります。iPhoneの「iCloud写真」の「iPhoneのストレージを最適化」や、Googleフォトの「空き容量を増やす」などです。端末には小さいサイズの写真だけを残し、元の写真はクラウドに置いておく仕組みです。
便利ですが、クラウドの容量は多くの場合、月額の有料プランになります。サブスク疲れの記事で書いた話とも重なりますが、「スマホを大容量モデルにする」のと「クラウドに毎月払う」のと、どちらが自分に合っているかを考えてみる価値はあります。また、パソコンや外付けのドライブにも年に一度くらいバックアップしておくと、クラウドのアカウントに何かあったときの備えになります。
まとめ
スマホの容量が足りなくなるのは、写真と動画の高画質化、アプリがため込むデータ、OSの領域という3つの理由が重なっているからです。まずはストレージの内訳を見て、大きいところから手を付ける。動画の画質の設定を見直す。消してはいけないものは、バックアップを確認してから。仕組みを知っておけば、通知が出るたびに慌てて写真を選ぶ必要はなくなります。